
下栗の里からの帰路ですっかり眠りに落ち、連日の旅の疲れも相まってか会場入りがダラダラと遅れ気味に。観光旅行ではないのでスケジュールをあまり緩めることは考えられないが、ギチギチに詰め込むのも研修に際しての集中力を欠きかねないあたりは反省点であった。全員が会場に入り定刻を少し過ぎたあたりで、講師であるキャリア教育推進委員の田中さんの紹介を行った。講師を務めて頂いてはいるが教育機関の仕事に従事しているわけではなく、市の職員でもなく、地元で企業経営をしながらキャリア教育推進委員として活動されている旨を伝えた。この地域ではそういったことが公民館活動と称されて半ば当たり前のように行われいることも伝えさせてもらった。
田中さんからのお話は現状説明として、この地域の出生率はそれほど悪くないにも関わらず、地域の子供たちが高等教育を受けるために地域を離れた後でこの街に戻ってくるUターン率がまるで少ないことの説明から始まった。FFJEの森谷君が英語通訳にしてフランス人学生たちに伝えてくれた。
日本全体の現状を把握していなければならないエピソードであったためフランス人学生の反応はそれほど見られなかったが、日本人の学生たちからは問題を分析するべく理由説明を待つような表情が見てとれた。講師から述べられた理由は、都市部で就職して身につけたスキルを活かす職場がないというのが最大の理由であった。それを聞いた日本人学生は一様に納得した表情をしていた。特に就職活動中の学生にしてみれば自分自身のこととして想像できる身近な話題であったと思われる。
フランス人学生からの反応は、現状の職場が女性が働きやすい環境になっているのかという質問が出た。産休だったり育児との両立だったり、それはこの地域だけでなく昨今メディアやネットで変えてゆかなければならない問題として多く取り上げられている話題だった。講師からは真剣に取り組んでいかなければならない問題だと考えているし取り組みも始めているという回答があった。

日本の場合、教育にかかる費用はほぼ受益者負担となっているが、フランスの場合は国が補償していると聞いている。折角の機会だったのでその辺の情報交換ができてたらよかったと思うが時間と言葉の壁があって出来ずに終了した。
この後、Aルートで研修先を回った学生たちと合流し、それぞれがホームステイ先からの迎えの車に乗って移動し、2日目の研修を終えた。
が、体調不良のフランス人学生が出たため、急きょ内科の緊急当番医であった飯田私立病院へと連れて行った。日本語表記しかない問診票であったりフランス国内で掛けてきた保険に使う領収書が日本語表記しかかなったり、思わぬところで国際都市を名乗る上での問題点が浮き彫りとなった。当然我々の対応も完璧だったとは言えず、こういった想定がなされていなかった点は次年度以降の課題となった。

