旧小笠原書院についてガイドの塩澤さんから下記の説明をしていただきました。

清和天皇(56代天皇850年から881年)からの家系で、1600年の初めに小笠原 長巨(ながなお)が、1000石を幕府から与えられ、旗本としてこの屋敷を建てました。1872年(明治5年)、江戸幕府の終わりとともに解体され、書院と土蔵のみ残されました。
その後1964年まで小笠原氏が住んでいましたが、飯田市が買い取り現在に至ります。1952年国の重要文化財に指定されました。江戸時代初めに造られた武家書院、旗本の居館が残っている唯一の建物です。なかなか日本オリジナルの固有名詞が多く、翻訳しにくいところもあったかと思われますが、FFJEの清水君がフランス語で皆に伝えてくれました(着帽で後ろ向きなのが塩澤さんです)。

建物の特徴は、総檜造り、屋根こけら葺き、土台の一部がかけ造り(京都清水の舞台と同じくせり出した舞台)です。柱38本は節がなく、年輪の細かさは1センチに25層、つまり25年です。床板も目が細かく節がなく、笹もくという珍しい木目を見ることができます。
その他、杉の板戸、高い格子天井、欄間、珍しい釘隠しなどです。屋根のこけら葺は、2008年に当時と同じ手法で、5000万円の工事費で吹き替えられました。学生たちは400年前の木肌に触ってみて長い年月ここにあることに感動していました。


資料館は、隣接する書院とは対象的なモダン建築です。小笠原氏の末裔である建築家、妹島和世氏のSANAAユニットによって1999年に建てられました。SANAA手がけた建築は、ランスのルーブル美術館分館、金沢21世紀美術館、ニューヨーク コンテポラリー アート美術館、など多数の作品があります。ヴェネツィア ビエンナーレ国際建築展金獅子賞、日本建築学会作品賞、アメリカ プリッカー賞、フランス銀の定規賞などなど多数受賞。

現在に伝えられる小笠原家文化の礼法 小笠原流礼法は、礼儀作法で有名で東京千代田区に本部があります。その他弓馬礼法、茶道、華道、人形浄瑠璃などが伝えられています。

学生の皆さんは、400年前の建物である屋敷の床下のかけ造りから見学し、書院玄関から座敷、廊下を巡り、木肌に触れたり、障子からの眺めを見て古い時代を静かに鑑賞していました。完全な木と紙と土でできた建物、それが今に残っていることに驚いていました。また資料館はモダン建築で、フランスの新ルーブル美術館の建築家であることに親近感を持ったと思います。400年隔てた建物の対比は稀有な経験だったようです。事前学習の資料が充実していれば、もっと良かったかと感じました。